高齢者の「孤食」問題について

 私は6年半ほど前の2月に病気で妻を失い、その1年後に体調を崩して早期退職。以後息子との父子家庭生活が続いています。その間、今後の我が家の家計は破綻しないのかということが心配になり、早期退職を決断する前後から将来の家計のシミュレーションを繰り返しました。

 その時期考えて実行した内容は「父子家庭、早期退職者の生活設計」というサイトでまとめ、今も更新を続けています。その中で、今も気にしているのが一ヶ月の家計支出額です。

 だいたい領収証を保管して、数日ごとに表計算ソフトに入力することを繰り返し、すでにそのデータは6年ぐらい蓄積されています。それを見ると一目瞭然ですが、早期退職直後の、私のアルコール代を含めた食費は、一ヶ月5.5万ぐらいでした。

 これは私自身が料理そのものを行なう時間が無く、また料理に関する知識も学生時代に一人暮らしをしていたときに培ったわずかな知識だけだったため、必然的にすぐできる刺身や焼肉、それにすでに出来上がっている惣菜類の購入が多かったからだと分析しています。

 そしてここ数ヶ月の食材費はと言うと、大学生の息子との二人暮らしで4.2万ぐらいです。この中に私のアルコール代と昼食代も含まれています。

 問題はこの先です。息子は今大学3年なので、うまく行けば1年半後には就職となります。その時に自宅から通勤するのか、家を離れるのかという問題があり、特に後者の場合は、私の食生活は激変する可能性があります。

 つまり高齢者の「弧食」という問題に直面するわけですが、たまたまここ数日息子は大学の友人たちと旅行に行っていて、三日間ほど私は一人で食べていました。

 数日ですから「寂しい」という感覚はほとんどありませんでしたが、それよりも、料理したおかずが減らない!というのが結構深刻な問題になるなと感じました。

 今回すでに書いているように、「八宝菜」を作ったのですが、野菜をたっぷり入れたために食べても食べても無くならないという現実に直面し、家計的には出費が減って良かったのですが、食べるものに寄っては栄養が偏るなという認識を強く持ちました。

 また一人なら適当に食べようか、という誘惑に駆られることも多く、そうなると手抜き料理になり、早期退職直後のスーパーの惣菜に頼る食事も増えそうです。

 そういったことを今から意識して対処すれば良いのだと思っていますが、高齢者の「弧食」問題がにわかに現実味を帯びてきたなと感じています。
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